迷姫−戦国時代




無造作に後ろに束ねられた髪をかき上げながら立ち止まっている男がいた


「まいったなぁ・・・」

袖元などをいくら探しても出てくるのは財布などであり肝心の物が見つからない


「八百屋のおっちゃんに訳を話せば分かってくれるだろうが、それなりに付き合いがあるしなぁ。何処にいったんだか」

再度探すがやはり肝心の物は無いようでどうすればいいのやらと首を捻る


日の位置をちらりと見て日の入りまで時間があるのを確認し幸いまだ団子屋を越してはいないため仕方なく歩いた道を戻る事にした