あれから五年と月日が経ちそれぞれが大きくなったある日



「姫様ー!姫様ー!何処にいらっしゃるのでございましょうか」

年は三十代前半の女性が大きな声を出し、城の中をかけ走っていた


その頃女性を心配させている張本人はと

「か、可愛い・・・この目、毛並み、スラッとした体型!今まで出会った中でこんなにも素晴らしい子を見たのは初めてです!!」

少女が目を輝かせている目の前の動物は

バン!

「姫様、また此処にいらっしゃったのでございましたか。探しましたでございます」

「姥や・・・いえキヨ、此処の扉をそんな風に開けては駄目じゃない、礼儀がなってないわ。見て下さい、この子が怯えてるでしょ?」

彼女が向いた方向には昨日生まれだばかりの茶色い子馬がいた

猫や犬ではなく馬です


もう一度言います子馬です
ちなみに少女は前いた世界でも馬が大好きなのは変わっていません

「姫様、申し訳ございません。しかし、キヨにも言わせてもらいます。“あれ程”勝手に行動なされるのは一国の姫君として危険でございます。せめて行動するならばキヨも御一緒させてもらいます。それに姫様にもしもの事があったら、キヨは亡き奥方様に顔向けが出来ません」



「もう、キヨは心配性なのですから」
口を膨らませて文句を吐いた少女は髮の両側にリボンを付け、髮が肩より少し下の長さをし、パッチリとした大きな目で低くもなく高くもない鼻に真っ赤な唇をした、なんとも可愛らしい少女がキヨと呼ばれた自分の姥を怨めしそうに見ていた



「では姫様、今すぐに城の中にもど「よし決めた。貴方の名前は我が城、鶴水城から取りミカゲ!」
・・・ミカゲでございますか。して、鶴水城とはどんな繋がりがあるのでございましょうか?」


「鶴は千年、亀は万年から取ったのです。亀だと可愛くないから私の“み”を付けたらミカメだとワカメと間違ってしまうからミカゲ。良い名前でしょ?」

誇らしげな美羽の反面キヨはというと

「(姫様、もはや鶴水城との繋がりなど全く関係無いのではと思うのはわたくしだけでございましょうか。それに・・・)わたくしの目ではミカゲは雌馬に見えるのはわたくしの間違いで?」

「・・・あ」
その事に今気付いたのは言うまでもなかった