「さあもうすぐで着くよ」 浅波の声に思考を中断し彼は振り返り指を立てた 「見てご覧。此処からではまだ距離があるけどあれが枇杷だよ」 指を指した方を見ると遠目だがハッキリと眺める事が出来た 昔工の国について聞いた事があった 工の国は工芸だけではなく町そのものが美しく芸術なのだと 全てが小豆色に染まりそれぞれ均等に並んでいる建物 それが枇杷の国なのだと