あれからひたすら南へと向かって馬を走らせている柏木 圭吾の後に続き走っている杉藤



この様子だと見つかる確率は低いな、否見つから無いな・・・



すると側近の国東という男は何か耳打ちをし柏木は馬を止めた。どうやら休息を取るようだ


たしかにこの間々走り続けると馬に負担が掛かるからな

続ける様に杉藤も馬を止めた


腰に掛けてある竹で作られた水入れを取り一息付く








恐らく今姫を見つけるのは無理だな


ならば俺はどうする


確か柏木の忍が昨日から見当たら無いから何をしてるかは大体予想が付いてる


それならば・・・








杉藤は真上を見上げた

綺麗な藍色の空を藍色の瞳が見つめる


指を口元によせていきそして・・・


ピィーーーーーーーーーーーーー





その様子に国東は警戒するに対して圭吾はただそのなりいきを見つめていた






少し経った頃に頭上から羽ばたく音が聞こえた


左腕を前に現れた物を止まらせる様に差し出した



キィーと一声鳴きそれを止まらせた



その様子を見ていた圭吾はポツリと呟いた

「見事な隼で御座るな・・・」




隼を確認した後に杉藤は圭吾の方へと向いた

「俺は此処から別の所に向かう。生憎あんたの忍が俺の仲間を探してる様だが俺は発たせてもらう」


「そうであるか。伺いたい事はまだまだ沢山有るのだがまたの機会にさせて頂くとしよう。仲間の方は大丈夫なので?」

「その心配は皆無だ。それに信号はもう送ってあるからな」


そう言いながら馬に手を掛け跨がり二人へと向く

「我等は全てを映し真実を伝える者、そして生き残り伝えるのが己の務め。
・・・次はどの様な立場で再会するかは分からない。だがまた会う事があれば俺を楽しませてくれよ柏木 圭吾」


ハッ!と発し馬を走らせて行く杉藤の姿を二人は何も言わずに見送ったのであった






杉藤を見送りながらも圭吾は美羽が気になる






一体あの方は何処に行かれたのだ

自由を無くした者に残るのは







虚しさだけである