「……お前一体、どっちの味方なんだよ。
大体最初からさやかが勝つと思っているのに、なんで勝てるなんてことを言ったんだ?
アイツ本気にするぞ、本当に馬鹿だから」
大輔は顔を顰めていたのだが、一方圭吾のほうは、今にも鼻唄を歌い出しそうな表情を崩してはいなかった。
「だって折角二人とも本気を出すっていうのに、いつものように直ぐに決着が着いてしまったら、詰まらないだろ」
「は?」
「だから演出だよ、演出。イベントに演出は付き物なのさ」
「イベントって…」
「だってほら、いつもより悠太が粘っているお陰で、皆が楽しんでいるわけだし」
視線の先には、彼らを応援しているクラスメイトたちの姿があった。
「そして最後に悠太がアレを仕掛ければ……きっと盛り上がること間違いなしさ」
その時のことでも想像しているのか、圭吾はクスクスと一人で愉快そうに笑う。
「でもなあ……アレをやられたら絶対にさやかの奴、滅茶苦茶怒ると思うぜ。悠太なんてきっと、半殺しの目くらいには遭うかも知れないな」
「だったら、尚更好都合さ」
圭吾は相変わらず嬉々としている。
大体最初からさやかが勝つと思っているのに、なんで勝てるなんてことを言ったんだ?
アイツ本気にするぞ、本当に馬鹿だから」
大輔は顔を顰めていたのだが、一方圭吾のほうは、今にも鼻唄を歌い出しそうな表情を崩してはいなかった。
「だって折角二人とも本気を出すっていうのに、いつものように直ぐに決着が着いてしまったら、詰まらないだろ」
「は?」
「だから演出だよ、演出。イベントに演出は付き物なのさ」
「イベントって…」
「だってほら、いつもより悠太が粘っているお陰で、皆が楽しんでいるわけだし」
視線の先には、彼らを応援しているクラスメイトたちの姿があった。
「そして最後に悠太がアレを仕掛ければ……きっと盛り上がること間違いなしさ」
その時のことでも想像しているのか、圭吾はクスクスと一人で愉快そうに笑う。
「でもなあ……アレをやられたら絶対にさやかの奴、滅茶苦茶怒ると思うぜ。悠太なんてきっと、半殺しの目くらいには遭うかも知れないな」
「だったら、尚更好都合さ」
圭吾は相変わらず嬉々としている。


