「翔、翔、翔、翔、翔、翔!!」

あの後授業中も寝つづけ先生に怒られた。

まあいつものことなので気にせず、休み時間にまた眠りにつこうとしたとき。

また俺の名前が6回ほど連呼された。

「なんや!・・・ってまたお前か!」

そこには先ほど俺に依頼をした、犬が立っていた。

「翔くん、いや、翔様!大変や!!」

「お前の言う大変はそんなに対して大変じゃないことくらい分かってんねん。」

「そんな冷たいこと言わんといてや!」

またうるさくなってきたので、俺はとりあえず犬の話を聞く。

「で、何があってん?」

「無くなったんや・・・・俺の・・・・ネックレ・・・」

俺は犬の話が終わる前にその場を立ち去ろうとする。

しかし犬に止められるわけで。

「お願いや、翔。また捜してくれへんか?!」

「お前どんだけ失くすねん!ほんまはそんな大切やないんやろ!な、そうなんやろ?!」

「そんなことはないんや!でも、失くすねん!」

「アホやん!そんなん、アホやん!」

「アホでええわ!だからとりあえず、捜そ?な、捜してや?」

俺はとりあえずコイツから離れたい一心で、依頼を受けることにした。

「・・・今度なんか奢れよ」

「おう!任せとき!さっすが翔や!最初から受けてくれると思ってたで!」

調子いいヤツや、と思いつつも、俺は先ほどと同じことを犬にする。

「・・・・・・え?」

「どうした?翔、どこにあった?」

「・・・・い」

「え?」

「ないで、そんな"ネックレスを失くした"っていう過去が。」