「なんでや?なんで被害者の人を調べたらアカンの?」

紗枝は先輩に尋ねる。

しかし、先輩は黙ったままだ。

額に汗が流れている。

「・・・亡くなった方を調べるなんて失礼です。警察じゃあるまいし。」

動揺している先輩。

「・・・とにかく、出て行ってください」

そう言って、先輩は無理やり俺達を部屋から追い出した。

パタン

「先輩・・・動揺してたなあ」

紗枝はそう言いながら、落胆してソファに座る。

そして俺はドアをずっと見つめる。

あの動揺の仕方は普通やなかった。

明らかに、被害者に近づいてほしくない、そんな様な・・・

先輩は、俺に触れられてはまずいと思ったから、動揺した・・・?

俺が触れたらまずい・・・

つまり・・・

「触れたら過去が見えてしまう・・・」

しかし、死者の生きていた記憶は見ることが出来ない。

でも・・・

「それが、生きている、としたら・・・?」