「あ・・・・」

俺はさっき来た父からのメールを見返す。

俺の近くにいる・・・?

さっきはあまり気に留めなかったが、ここが父と母の部屋と分かったからには何か意味があるのかもしれない。

単身赴任から帰ってきたのか?

でも、そんなこと母からも全く聞いていない。

ふざけているようなメールにしか思えないが、もし本当だとしたら・・・・

「どこにいる・・・?」

俺は思わず声を漏らす。

ここにいるのは俺と紗枝。

そして、向こうの部屋には・・・・・

「山崎先輩と・・・被害者・・・・」

被害者。

さっき少しだけ見たのは、腹部から血を流した男性。

でも・・・・

「被害者って・・・・一体誰や?」

それも声になっていた。

そしてそれは紗枝にも届いていた。

「そういえば、血が出ていたってのしか見てないし、顔も見てないなあ・・・・」

山崎先輩が殺した、という人物。

それは一体・・・・誰なんや?