先輩の後に着いてきた俺は、近くのマンションへと案内された。

何故か、コイツも一緒に。

「・・・なんでお前まで」

俺は呟いた程度で言ったつもりだったのだが、ヤツには聞こえたらしい。

「うちがいたら悪いんか?大体呼びにきたのアンタやん」

そう。

あの後、先輩にコイツも呼んで欲しいと頼まれたのだ。

なのでコイツを呼びに言った。

というか、外から叫んだ。

「アレはないわ。近所迷惑やん。しかもめっちゃハズかったで」

ヤツは愚痴をこぼしながら歩く。

俺は特に悪気はないため、無視して先輩の後に続く。

マンションに入り、案内された部屋は、404号室。

これが何を意味するのかは、まだ知る由もなかった。

「・・・ここです」

先輩は不気味なほどに、笑顔を絶やさずこちらに視線を向ける。

部屋に入ると、そこは普通のマンションの部屋だった。

少しばかり高級感があるくらいだ。

「・・ここで何の依頼を?」

俺は先輩に尋ねる。

「・・・・・さい」

「え?」

「見つけてください、証拠を。」

そういいながら先輩の開けたドアの向こうには

腹部から血を流した男性が倒れていた。