「結局収穫なしかー」

その後もいろいろと聞き込みをしてみたのだが、発見に至るような発言は得られなかった。

「今日はとりあえずお預けやな」

俺はやっと帰れるという喜びを出さないように、なるべくトーンを落として言う。

「そうやなー・・・」

紗枝は本当に残念そうだ。

「2人とも、付き合ってくれてありがとうな!」

犬は明るく装っているが、結構ショックらしい。

親父に貰った大切なネックレスって言うてたしなあ・・

「ま、暇な日にでもまた3人で捜そうや!」

「・・・え」

「そうやな!うちはいつでも協力するで!」

結局また付き合わされることになりそうや・・・

俺は気付かれないよう小さくため息をつき、帰る支度をする。

「んじゃ、またな、犬」

俺はそう言って校門を出る。

「おう!また明日・・・じゃなくて月曜な!」

ヤツはいつまでも手を振っているがあえて無視。

ヤツに絡むとすさまじく目立つ。

ヤツが見えなくなったところで、俺はまたため息。

「ため息つきすぎやろ」

後ろから声が聞こえたので振り向くと、紗枝がいた。

「んだよ、お前か。」

「なんや!その態度は。大体お隣さんやねんから方向一緒なくらい分かってたやろ?!」

だから校門出るときにコイツより早くでてきたのに。

結局会うてしまった・・・・。

今度は大きなため息をつく。