『 ク リ ス マ ス 』


ある日…

ぼくの ハンモックが
たぷんと ゆれた

ぼくは 風に
もんくを いった

『じゃま しないでよ ぼくは おひるねを するんだ』

風は いった

『起きなさい このハンモックは あなたには もう 小さすぎるの』

ぼくは 知らんかお
だって
ぼくの ハンモックは
とても 寝ごこちがいいんだもの


『起きなさい』

『起きなさい』

『さあ、起き上がって』

『出かけなくちゃ』

『新しい ハンモックを 見つける 旅に…』

『いまがその時…』

風たちが
そう いうたびに
ぼくの ハンモックは
ぐらぐらと ゆれて

ぼくは
新しい ハンモックを
手に入れる旅に
出かけることにした


ぼくは 真っ暗な森を
歩いていった

誰かが ぼくを
呼んでいる
そんな気がしたから

だけど
深い茂みが
通せんぼして
ぼくは ひっしで
小径に もぐりこむ

苦しい
苦しい
いきができない

とくん
とくん
とくん
音が きこえる

ぼくの 中の
ぼくの いのち


呼んでる
ぼくを 呼んでる


まってて

きっと たどりつくから