師走が顔を赤くして帰ってきた。
「どしたの?」
俺が聞くと、師走が俺に耳打ちした。
「【素直で優しくて、でも憎まれ口たたくようなそんな師走が好きだよ】って言って逃げやがった」
(頬にキスされた、は流石に歩夢に言えないなι)
師走は心で思った。
「へー(¬w¬*)良かったじゃん♪」
「(≧ロ≦) 」
苦しいけど、これが一番良いんだ。
一番丸く収まる。
俺が気持ちを潰せば、消せば、良いんだ。
心にポッカリ穴が開いた感じになりながら俺は焼きたての焼き芋にかぶりついた。
「あちぃ……」
今日の夜はフォークダンスにキャンドルサービス。
この宿泊所の食堂はガラス張りで暗くするとガラスに蝋燭の火が映って綺麗らしい。
まずはフォークダンス。
(女子となんか、手繋ぎたくない...水無月とだけ繋げればそれで良いのに)
水無月とダンスする番になった。
俺の次は師走だ。
そっと手を握る。
久しぶりに水無月に触れた。

