あの日以来、師走とは話さなくなった。


なんとなく胸に突っ掛かりがありながら、夏休みは過ぎた。




新学期、9月。長月。


嵐の予感。



「水無月っ!」


学校に着くなり長月がうちの元へ来た。


「どうしたの!?」



「師走、今日も休みなんだよ...」


新学期に一日来たきり
師走は学校を休んでいた。


熱があるらしいんだけど…。


「もう三日だね」


「あぁ…最近元気なかったんだよ」


長月も気付いていた。

師走の異変。


「……失恋じゃない?」


里佳が会話に入ってきた。


「睦月!おふざけじゃねぇんだぞ!?」


「あのねぇ…うちも本気


多分師走はなっちゃんに失恋したんだよ」


「うっ…うち?」


「そっうち前聞いちゃったんだよ…」



里佳の話によると...。


うちと長月が付き合うということをみんなが知った日の帰り道。



「おい、師走!」


瀬布が師走に話しかけた。


「なんだよ…」


師走はいかにも凹んでいた。


「お前さ、水無月にちゃんと気持ち伝えなよ」


瀬布は師走がうちを好きで居ることを察している様子だった。