「なにしてんだよ」


「うちなんかと相合い傘してたらまたみんなに言われ………」



言い終わる前に俺はいつの間にか水無月を抱きしめていた。




「長月…」


水無月は俺の腕に顔を埋めた。



「言われたっていいし…お前と話せなくなるほうが嫌」


腕の力を強めた。



女子はいつの間にか居なくなっていた。


「俺………なんか気まずくなって水無月と話せなくって、気付いたんだ

俺は水無月が好きになんだって」



俺は、なんでこんな素直に言ってんだ……??


きっと、水無月を離したくないからだな...。



「嘘…じゃないよね

冗談とか、なんかの罰ゲームとかじゃないよね…?」


水無月は俺の腰部分のジャージを掴んで引っ張った。


「………当たり前だ」


俺は水無月の頭を撫でた。


「………き」


「え?」


水無月の声が雨音に掻き消されて、よく聞こえない。


水無月は、俺の背中に手を回して体を密着させた。