上手くいけばいいな、二人。
うちは葉月と由紀ちゃんがくっつけば良いのにな、なんて考えながら待っていた。
トイレに居ようかな、と思ったけど暇だから四組で聞き耳を立てようかななんて考えながら四組に向かった。
誰か居るかな、とドアの窓から覗いた。
そこには長月が居た。
切ない顔で、曇った窓ガラスに何か書いていた。
今日は寒いから窓ガラスが曇る。
よく、見たら...。
みなづき、すき。
(え??)
思わず、そこに座り込んだ。
(嘘...)
もう一度見たら、すでに文字は消され、長月は頭をガシガシと掻いていた。
うちは思わず、三組に入って荷物を掴んで走った。
「なっちゃん!?」
由紀ちゃんが呼んだ、けど振り返らなかった。いや、振り返られなかった。
どうしよう...。
走ったせいだけではなくて、心臓がバクバクと音を立てていた。
「ハァッ、ハァッ…」
苦しいよ……。
いつの間に、こんなに好きになってんの?うち。
「うちに…恋する資格なんて無いんだから…」
一生懸命自分の気持ちに蓋をした。
ダメだ、溢れさせちゃ。
うちが恋なんて、ダメ。
人を傷付けてしまうだけなのだから。