リーン リーン…





魔法使い育成学校の最終講義の終了を告げる鐘が鳴り、
生徒達は一斉に教室から出る。





そして生徒達は各自の寮へ帰って行く。
その中ある3人は学校内にある
プラネタリウムに向かっていた。








「ねぇベル」




彼の名前は、ベル・リーフ。
彼は金色の短い髪を風に靡かせ

3人の中で最も前を歩いている。




ベルと呼び掛けたのは、アリア・レイン。
彼女は透き通ったような

ハニーブラウン色の腰まであるロングヘアで
いつもストレートにしている。






そしてその後ろを歩くのは、
どちらかというと濃い青色の短い髪をした男の子。
その男の子の名はフレイ・ユウガ。






「ベル?」




ユウガも返事のしないベルを見て呼び掛けた。







「………!!わりぃ」





「どうしたの?ベルらしくないじゃない」




「ほんと…。どうしたんだ?
今日は実技があったんだろ?」




「いやー…、そうなんだけどよ…」





「何?」





「炎から身を守る魔法ってことで保護呪文やったら…」





「「何故か水が出た、とー…」」





「な、なんでわかんだよ?」






リーフはちょっと吃驚して声が詰まった。






「そのテンションと、服のはしっこが
ちょっと濡れてるの見たらわかるよ」





「それに、ところどころ服焼けてるしな」





「おまえらー…」


こうやって笑っていることが3人にとって
至福の時間だったと言えるだろう。


リーフもレインもユウガもいつ訪れるかわからない
黒蝶を操る術師、「闇1族」による世界崩壊まで
こんな平和な会話を続けたいと心のどこかで思っていた。