「……」
「……」
静かに穏やかに流れゆく時。
この暗闇と静寂の中で唯一聞こえるのは、トクン、トクンとゆっくり刻むその音だけ。
「ごめんね」
私の顔をぎゅっと胸に押し付けたまま、彼が落とした声。
とても優しく鼓膜に響く。
私の震えは収まっていた。
彼の温かい腕が、胸が、心地よかった。
ずっと‥こうして居たかった。
でも
「痛いよー‥」
ついに私は音を上げる。
「えっ!?」
その声に、バッと身体を離した彼は、私の顔を覗き込む。
「ごめん、力入れすぎてた?大丈夫?」
違う。違うんだよ。
「うぅ‥ボタンが」
「え?ボタン?」
彼は、自分の服に目を落とし、「あ」と声をあげた。
「ずっと押さえられてたから、おでこがそこから動かせなくって‥」
そうなんだよ。
制服のまんま寝てた私たち。
彼のシャツのボタンに、ずっとおでこをつけていた状態だった訳で。
「痛かったぁ。跡ついてない?」
おでこをさすりながら彼に尋ねた。
するとーー‥
「‥っぷっ」
「え?」
「ーーふふ‥あはっははははははっははははっはーー‥」
突然 笑い始めた彼。
そんなに跡になってるのかなぁ‥と、ちょっと悲しくなり、
笑いながら転がり始めた彼を放置して、後ろの鞄から携帯と鏡を取り出した。
携帯の光で照らしながらおでこを見ると、やっぱりボタンの形に赤くなってる。
「うわぁ。恥ずかしっ」
すると後ろから、足と腕でふわりと抱きしめられた。
「しーんたっ」
少し高めの声が、耳に直接聞こえる。
その唇が耳に触れてしまいそうで、また顔が熱くなってく。
「好きっ大好き♪」
「ぅ‥」
その言葉を口に出せるって、すごいコトだと思う私です。はい。
そして
背中に感じるその温かさを、ぎゅっとされるその拘束感を、“嬉しい”と、そう思うようになった私であります。
『ーー許さない』
ふと頭をよぎったあの子の言葉。
確実に私に向けられていた敵意は、尋常じゃなかった。
そう。
学校でのあの視線よりも、下手すればそれでココロを殺せてしまうほどの鋭さを持った視線と言葉。彼女は‥?
「知りたい?」
柔らかくかかったその声に、私は恐る恐る頷いた。
「……」
静かに穏やかに流れゆく時。
この暗闇と静寂の中で唯一聞こえるのは、トクン、トクンとゆっくり刻むその音だけ。
「ごめんね」
私の顔をぎゅっと胸に押し付けたまま、彼が落とした声。
とても優しく鼓膜に響く。
私の震えは収まっていた。
彼の温かい腕が、胸が、心地よかった。
ずっと‥こうして居たかった。
でも
「痛いよー‥」
ついに私は音を上げる。
「えっ!?」
その声に、バッと身体を離した彼は、私の顔を覗き込む。
「ごめん、力入れすぎてた?大丈夫?」
違う。違うんだよ。
「うぅ‥ボタンが」
「え?ボタン?」
彼は、自分の服に目を落とし、「あ」と声をあげた。
「ずっと押さえられてたから、おでこがそこから動かせなくって‥」
そうなんだよ。
制服のまんま寝てた私たち。
彼のシャツのボタンに、ずっとおでこをつけていた状態だった訳で。
「痛かったぁ。跡ついてない?」
おでこをさすりながら彼に尋ねた。
するとーー‥
「‥っぷっ」
「え?」
「ーーふふ‥あはっははははははっははははっはーー‥」
突然 笑い始めた彼。
そんなに跡になってるのかなぁ‥と、ちょっと悲しくなり、
笑いながら転がり始めた彼を放置して、後ろの鞄から携帯と鏡を取り出した。
携帯の光で照らしながらおでこを見ると、やっぱりボタンの形に赤くなってる。
「うわぁ。恥ずかしっ」
すると後ろから、足と腕でふわりと抱きしめられた。
「しーんたっ」
少し高めの声が、耳に直接聞こえる。
その唇が耳に触れてしまいそうで、また顔が熱くなってく。
「好きっ大好き♪」
「ぅ‥」
その言葉を口に出せるって、すごいコトだと思う私です。はい。
そして
背中に感じるその温かさを、ぎゅっとされるその拘束感を、“嬉しい”と、そう思うようになった私であります。
『ーー許さない』
ふと頭をよぎったあの子の言葉。
確実に私に向けられていた敵意は、尋常じゃなかった。
そう。
学校でのあの視線よりも、下手すればそれでココロを殺せてしまうほどの鋭さを持った視線と言葉。彼女は‥?
「知りたい?」
柔らかくかかったその声に、私は恐る恐る頷いた。

