ざわざわと集まる人の波へどんどんと近づいてく私たち。
「麗花ぁ、1人で見に行っといでよー。あの人だかり嫌だよー」
「何言ってんのよ。気にならない訳?」
ちょっと気になるけど‥
「わかった。まずは1人で見に行ってくるわ」
そう言った麗花は、私の腕を放してつかつかと人だかりの中へと入っていった。
クスクス‥
ふわっと後ろから抱きしめられ、耳元で聞こえた笑い声。
「麗花さんって、いつもあんな感じ?意外だったかも」
「んー‥いつもはもっと、クールな気がするんだけどなぁ」
人だかりから離れた所で、麗花が帰ってくるのを待ってた私たち。
するとーー‥
「しーん!!おいでーっ!!!」
麗花のよく通る声が辺りに響いた。
‥その途端、ばっと一斉に私たちの方へと顔を向けた人だかり。
ざわざわしていたそれらがコソコソに変わり、そしてだんだんと散ってゆく。
私の影響力も、大したもんでしょ?
なんて自嘲気味に笑ってみる。
「心?麗花さん呼んでるけど‥」
「あ?あぁ‥なんだろね?」
不思議に思いながらも、2人並んで校門へと近づく。
ギャラリーが減って、見えてきた校門前。
そこには、頭1つ飛び出た紅茶色の髪の毛の男の人が居た。
黒縁の眼鏡をかけて、ギャラリーなんてシカトし慣れてますっ!って顔で本を読んでるその人。
「兄貴。兄貴っ!」
何回か呼びかけた麗花は、それでも気づかないその人に膝蹴りを入れた。
「かはっ!‥っ何すんだよっ!!」
膝蹴りをくらったその人は、お腹を抑えながら耳から何かを抜き取った。
「耳栓とかしてんなよ。シカトかと思って蹴っちゃったじゃないか」
何故か麗花の方がふてくされ気味になってる。
「誰かを待ってる時はいつもしてんのっ!なんかうっせーんだも‥ん……」
顔を上げた玄は、私たちの方を見るなり雰囲気が変わった‥気がする。
いつも優しい光を放つ紅茶色のその瞳は、今はとても鋭く、獲物を一瞬にして貫いてしまいそうな位に恐かった。
そして、その瞳は私を見ていない。
私の隣に立っている彼を、真っ直ぐに射抜いていたんだ。
「心のオトコって、そいつ?」
低く低く響く声。
空気がピリピリと痛くて、時間なんて止まっているような気さえした。
「麗花ぁ、1人で見に行っといでよー。あの人だかり嫌だよー」
「何言ってんのよ。気にならない訳?」
ちょっと気になるけど‥
「わかった。まずは1人で見に行ってくるわ」
そう言った麗花は、私の腕を放してつかつかと人だかりの中へと入っていった。
クスクス‥
ふわっと後ろから抱きしめられ、耳元で聞こえた笑い声。
「麗花さんって、いつもあんな感じ?意外だったかも」
「んー‥いつもはもっと、クールな気がするんだけどなぁ」
人だかりから離れた所で、麗花が帰ってくるのを待ってた私たち。
するとーー‥
「しーん!!おいでーっ!!!」
麗花のよく通る声が辺りに響いた。
‥その途端、ばっと一斉に私たちの方へと顔を向けた人だかり。
ざわざわしていたそれらがコソコソに変わり、そしてだんだんと散ってゆく。
私の影響力も、大したもんでしょ?
なんて自嘲気味に笑ってみる。
「心?麗花さん呼んでるけど‥」
「あ?あぁ‥なんだろね?」
不思議に思いながらも、2人並んで校門へと近づく。
ギャラリーが減って、見えてきた校門前。
そこには、頭1つ飛び出た紅茶色の髪の毛の男の人が居た。
黒縁の眼鏡をかけて、ギャラリーなんてシカトし慣れてますっ!って顔で本を読んでるその人。
「兄貴。兄貴っ!」
何回か呼びかけた麗花は、それでも気づかないその人に膝蹴りを入れた。
「かはっ!‥っ何すんだよっ!!」
膝蹴りをくらったその人は、お腹を抑えながら耳から何かを抜き取った。
「耳栓とかしてんなよ。シカトかと思って蹴っちゃったじゃないか」
何故か麗花の方がふてくされ気味になってる。
「誰かを待ってる時はいつもしてんのっ!なんかうっせーんだも‥ん……」
顔を上げた玄は、私たちの方を見るなり雰囲気が変わった‥気がする。
いつも優しい光を放つ紅茶色のその瞳は、今はとても鋭く、獲物を一瞬にして貫いてしまいそうな位に恐かった。
そして、その瞳は私を見ていない。
私の隣に立っている彼を、真っ直ぐに射抜いていたんだ。
「心のオトコって、そいつ?」
低く低く響く声。
空気がピリピリと痛くて、時間なんて止まっているような気さえした。

