ダンッ!! わたしの背中には桜の木の太い幹。 わたしの両腕は杉本君の長い腕に完全にガードされて、 斜め上から見下ろされている。 杉本くんの整った顔が 獲物を捕えたかのように、 ゆっくりと近づいてくる。 『君だろ? 中学んときいっつも水泳の合同練習やら試合に一緒についてきてたの… 俺、武田先生のことマジで尊敬してるからさ いっつも見てたんだ』 まただ… また恨まれる。 また傷つく。