『金城くん。
これタオルね!!』






さっきの言い合いなんてなかったように、スマした顔した美羽。







「おい、美羽。安藤にあんまり突っかかるなよ。

あいつも今日の試合はピリピリしてんだからさ…


今日の結果が本大会の自信につながんだからよ…」







『んなこと分かってるわよ。
安藤が吹っかけてきたんだから…わたし悪くないもん』





さっきまでのスマし顔は一瞬で崩れた。






唇をとんがらせて、
まるで拗ねる幼児だ。






ホントは弱いくせに、
必死に強がっている美羽。





ケンカを買うわりに、
後で後悔するんだから…。





「分かってるなら、まぁいいけど…」






拗ねる美羽の頭にポンと手を置く。





俺を見上げる美羽。






後悔の塊が、
ひと涙になっている。






…―ハハ、うける(笑)






心の中透けてんすけど。






子どもの心のほうが、まだよめねーよ!!