「ねぇ、指ちょっと触れたでしょー！！」
制服のブラウスのボタンを止めながら口をとんがらせる。
『あぁ？仕方ないじゃんかよ！
あんな声出しやがって！
お前、感度よすぎなんだよ。
いけると思うだろ？フツー』
クーラーの電源をOFFにして、窓を乱暴に開ける彼。
窓から熱風とともに流れてきたのは、うるさすぎるセミの声。
「う〜、寒かったぁ〜」
『はぁ？お前が南極にしたんだろーが！』
トランクス１枚で窓枠に腰かけながら笑顔でつっこみを入れる彼。
部活の水泳で真っ黒に日焼けした肌。
筋肉質な逆三角の見惚れるくらいに美しいカラダ。
カラーをしている上に、塩素で少し痛んだ黄色い髪が、太陽に照らされてキラキラ光っている。
そんな彼氏の名前は
杉本 哲斗【すぎもと てつと】
１６歳。
みんなからは【テット】って呼ばれている。
