『優しくなんて、ないよ…

人のこと考えてる余裕なんてないよ…


お父さんは責任とって
中学辞めちゃうし…ウック…

クラブにあんなに力入れてたのに…ウッ…


生徒のみんなにも迷惑かけちゃうし…ウッ…ウッ…


わたし、サイテーなやつなんだから』






俺の腕の中で
肩をふるわせて泣く美羽。






「考えてんじゃん!

人のこと。

考えすぎてんじゃん!

やっぱり美羽は優しすぎる〜♪」






わざと耳元で囁くように言う。






『キャッ//もうバカ。

耳元で言わないで!って言ってるでしょ。』






ホラ、泣き止んだ。






単純なやつ…






泣き声もかわいいから聞いていたかったけど、
やっぱり…イヤじゃん。






好きな子が泣いてんの…