【side*テット】










『テット…//だめ、離して』





腰を少し屈めたら、やっと美羽の肩を抱くことができる。







こんな小さなカラダで
俺から逃げられるわけなんてないのに…






“離して!!”って必死に抵抗を続ける美羽。





『美羽…聞いて。


俺はさ、美羽のことずっと見てきたから思うんだけど。


美羽はスゲー優しい。


ほかの人のこともちゃんと考えられる。


そんな美羽が理由もなしに人に殴りかかるわけないだろ!!」






ただ言葉足らずなだけ。






ひとこと言えばいいだけなのに。







それができないから、
いつも危ない橋を渡ることになる。





そんな美羽をずっと見てきたから…







危なっかしくてほっとけない。