『あれ!? 北川 美羽じゃん?』 取り巻きのひとりが 温かい空気を裂く。 ……金城君!!! 『なんだよ、光太郎! おまえ知ってたんか?』 元S中学水泳部の、 金城 光太郎【カネシロ コウタロウ】君。 同じ学校だったんだ… みんなが光太郎君のほうを向く。 『知ってるもなにも… こいつのせいで俺らS中さいごの試合に出場できなくなったんだぜ? 恨んでる。キャッハッハッハ!!』 『お前は〜、言葉を選べって… 冗談きついって!』 杉本君が光太郎君をなだめるように、肩に手をまわす。