『美羽。おっはよ〜〜ん♪
やった!
うちら、同じクラスだったね』
「ゆずちゃん!おはよう〜♪」
うす茶色の、セミロングでキレイな髪の毛を耳にかけながら登場したのは
沖 柚希【おき ゆずき】ちゃん。
わたしの中学からの親友。
お揃いのスウェットを着て、夜の街をあてもなくバカみたいに笑いながら歩いたっけ…
『なんかあったでしょ〜』
パンッ!
わたしの机に、キレイにマニキュアが塗られた手が叩きつけられる。
鋭いのは、ずっと昔から。
あまり自分のことを話さないわたしだから、ゆずちゃんみたいな存在がありがたい。
「う〜ん…
たいしたことじゃ、ないんだけどね…」
わたしは、ゆずちゃんに今朝のことを話した。
『えっ!?
杉本って…あの杉本?』
「あれ?ゆずちゃん知ってるの?
たしか下の名前は…
えーーっと……――」
『おぉ、遅かったじゃねーかテット!!
ナンパでもしてたか?
ギャッハッハッハ!!』

