「確かこっちだったような…」


手に傘を持ち、プリントを鞄に入れ歩く。

この道を通るのは、悠くんが引越して以来だった。


「あ!あれだ!」


キョロキョロしながらやっと家を見つけた。

他とは比べようもない大きな家。

さすが医者の家だ。

そう、悠くんは医者の息子。

そう思うと頭が良くて不思議ではない。

医者の息子らしくないのが悠くんなのだ。