投げられたボールは的を外れた。先輩は肩に手を当て、少し顔を歪ませる。



「先輩、でもっ無理したら肩壊れちゃいますよッ!」


あたしは思わず叫び、駆け寄った。


先輩は手を出し、「大丈夫」と呟いた。


「でもっ、あたし見てられなくて…先輩、野球が続けられなくなったらどうするんですか?」


その質問に先輩一瞬、ピクリと反応した。


そして真っ直ぐにあたしを見て言ったんだ。