先輩がふう、とひと息ついてあたしを見る。


「どう?」

「カンペキです!」


今度はニコっと、白い歯を見せて笑う先輩。


普段は少しキツく見える、切れ長の目尻が下がる。


「先輩、さすがです。でも、どうして秘密なんですか?」

「だって玉数の制限あるしさ。部員には見せらんないよ」

「…去年のケガのせいですか?」

「ん。リハビリしてここまできたけどやっぱり無理はできないね。」

「……」

「でもさ。せっかく負担の少ないフォームに変えたし、やるからには絶対みんなで勝ちたいし。あいつら最高のチームメイトだから」



そう言い、先輩はもう一度振りかぶる。