ハートを狙え!【先輩とあたし、秘密の練習】

「「キ」「ス」じゃなくて「ス」「キ」、だったんだ…ごめん」


ひゃーっ
えーっ


色々恥ずかし過ぎて、目が開けられません!


下を向いて手で顔を隠すあたし。


「ごめん、麻衣ちゃん。こっち向いて」

「やだ…」

「もう…ごめんてば。俺の事嫌い?」

「…嫌いな訳ないじゃないですかっ」

「良かった…じゃあ好きなら、こっち向いて」


安心したすごく穏やかで優しい声。尊先輩はその大きな手であたしの頭をなでなでしてくれた。