先輩、この距離やばいです!!


心の中で叫びつつ、あたしは尊(タケル)先輩の腰に手を回す。


「落ちないようにしっかり掴まれよ?」

「は、はぁーい」


尊先輩はチラっとあたしの方を確認すると、地面を蹴り付け自転車を走らせる。


ゆるい坂道、腹筋の動きがどうしたってあたしの腕に伝わる。


先輩、華奢に見えて意外に筋肉付いてるなぁ。


ああ、キュン死にしそう。