さて、これからどうしよう。
私は財布の中を見た。
毎晩、母から1000円ずつもらっていたかいがあって、中には25000円程入っていた。
これだけあれば、なんとか生活はできそうだが、寝る場所がない。

父親はいない。

父は私が産まれてすぐにこの世を去った。
それからの母があれだ。

その時、1人の名前が浮かんだ。

今野楓。

唯一の身寄りである父方の祖母だ。
家もここから電車で1時間くらいの所だ。
私は祖母の家に行ってみることにした。

まず、学校に休学届けを出してきた。
先生に何度も止められたが振り切ってきた。

そして、電車に乗り込んだ。

1時間揺れながらなんとか到着した。

ここからまたバスに乗った。
10分程してやっと着いた。

 「おばあちゃん、清來だよ。」
すると、中から祖母が出てきた。
 「清來?どうしたの?」
 「遊びに来た。」
祖母は私を笑顔で受け入れてくれた。
そしてご飯を食べさせてくれた。
こうしたまともな食事は何年ぶりだろうか。