日曜日、兄がこんなことを言ってきた。
 「清來、今日バイトか?」
 「ううん。ないよ。」
 「じゃあ、俺の好きな場所つれていってやる。」
 「どこ?」
 「それは行ってからのお楽しみ。」

私は急いで準備をした。
家を出ると、兄はもう、車に乗って待っていた。
私が車に乗ると、兄は車を発進させた。

30分位走った後、
 「着いた。」
と兄は言った。

私が車を降りると、そこは緑一面の高い丘だった。
 「ここ何?」
私は兄に聞いた。
 「ここな、俺の好きな場所。景色もいいし、しかも夕日がめっちゃきれいなんだ。清來に夕日を見せたくてここに連れてきた。」
そう語る兄の目はものすごくきれいな瞳だった。

 「夕日って夕方でしょ!?あと3時間もあるじゃん!」