「あのー、先程連絡をいただいた今野と言いますが。」
 「あ、はい。お待ちしてました。」
カーテンで囲まれたベッドには祖母が寝ていた。
 「お昼頃、楓さんの家を訪ねてきた人から連絡があったんです。倒れているから早く来てくれと。その時間、あなたは?」
 「学校に行ってました。」
 「そうですか。少し大事な話がありますので、こちらへきてください。」
連れてこられた場所は医師の診察室だった。
 「よく聞いてください。楓さんの病名は脳梗塞です。」
 「脳梗塞・・・ですか。」
 「はい。しかもかなり進行しています。余程、我慢していたのでしょう。」
 「で、祖母はどうなるのですか?」
 「こちらとしては、進行し過ぎていてもう打つ手がありません。あとは楓さんの力に頼るしかありません。」
私は唖然としていた。
あんなに元気だった祖母があと数日の命と聞かされた。
しばらくして、私は病院を後にして、家へと帰った。