「で、その子は?」
私が尋ねた。
 「数週間後、近くのビルの屋上から飛び降りて、天国に行った。」
 「嘘・・・・・」
 「舞が自殺するって知った時、私は舞を止めに行った。でも、手遅れだった。屋上には、私宛の手紙と2人で撮った数枚のプリクラがあった。手紙には、“私ともえの絆が永遠のものでありますように。”って書いてあった。」
見ると、もえは泣いていた。
机の上には大粒の涙が落ちている。
 「友達とか仲間の絆ってすごく深くていいものなんだね。」
そう言ったのは早苗だった。
私はすかさず言った。
 「そうだよ。
  友達の死で、こんなに涙を流してくれる子がいる。それに、今日から私たちは友達。だから、自殺しようだなんて考えないで。」

早苗はこくんと頷いた。

1時間後、私たちはそれぞれの家へと帰った。

そして、次の日からいつも通りの生活が始まった。
登校途中に聞こえてくる、
 「おはよう!」
のもえの声。
そして、もう1人。
 「おはよう!」
この声はあの早苗だ。
 「おはよう。もえ、早苗。」
返事をして私たちはいつもと同じく学校へと向かった。