部活を退部してからも、私ともえは大がついても良いほど仲良しだった。

ある日の放課後。

私ともえが学校から帰ろうとした時、もえが声をあげた。
 「あれって、同じクラスの松岡さんじゃない?」
ふと見ると、正門の所で一人の女子が、ぼうっと立っていた。
 「あ、本当だ。」
私も声をあげた。
正門の所で立っていたのはクラスの中でも浮いている松岡早苗だった。
早苗は周囲を気にしながら、自分の家の方角と逆の方向に歩いて行った。
私たちは興味半分で早苗の後をついて行った。
早苗は、走ったり、歩いたり、時には立ち止まったりして私たちも疲れ始めていた。

ある道路の歩道橋の真ん中くりあまで来た所で早苗は立ち止まった。
何をするのかと見ていると、いきなり手すりに足をかけて今にも飛び降りそうな勢いだったため、私たちは急いで早苗の所へ向かった。
 「ちょっと!
  松岡さん何してるの!?」