「な?」


と、聞き返す健太。



「…なって言われても」



あたしはまた視線を外してしまった。



「これ残りもらっていい?」


「…………」


「なぁ、美和~?」


「か、勝手にしなさいよ」


「やりぃ~」



そう言い残りを飲み干す健太。


あたしはその姿を横目で見る。


腰に手なんて当てちゃって。


そしてもう一度「くっはぁー」と声を漏らす。



「オッサンみたい」


「お前だって人のこと言えないだろ?」


「うっさい」



いつの間にかあたしの中に恥ずかしさは消えていた。


だって健太なりの気遣いに気付けたから。