守衛に見つからないようにそっと建物に近づく。
この大きな煉瓦の壁を越えれば第一関門は突破なんだけど。
建物の周りは広くてどこからか跳び移るのも難しそうだ。
「どうしよう……」
辺りを見渡して困惑する。すると、その時一本の大きな大木が目に入った。
大木の太い枝が煉瓦の壁の方へのびている。
あれなら枝を伝い壁の上に降りて中に入れるかも。
入り口からは前を向いていたらこちらは見えない。
守衛の目を盗み、私は木に近づいた。
小さい頃から城の庭で遊ぶのが好きだった。だから木登りは得意だ。
なるべく木を揺らさないよう用心しながら静かによじ登る。
建物に伸びる太い枝に足をかけると建物の塀は目の前だった。
行ける。
そう確信した。



