狙われし王女と秘密の騎士






夜は肌寒い。
昼間との気温差を感じ、シュリは歩きながら腕をさすった。
カイル達には黙って出てきてしまった。怒られるだろうな。
わかってるけど、でもやっぱりお父様やルカがいるって言われてる牢を見つけたかった。
可能なら救い出したい。
それに。
じっとしていられなかった。近くにいるかもしれないと思ったら、やはり居ても立ってもいられなかった。
カイル。帰ったらたっぷり怒られるから。
だからお願い。今は。

心の中でカイルに謝りながら、目的地へ近付く。


「たぶん、あの建物なんだよね」


大通りから一本入った閑静な高級住宅地の中に、一際大きく立派な茶色い煉瓦の建物あった。
かつてはサルエル国の庁舎として使っていたそうだが、今は移転し建物のみが残っている状態なのだという。噂だとあの地下に牢があると聞いた。

木の影から様子を伺うと、入り口に守衛がいる。
正面から入るのは難しそうだ。