「まぁ、そう肩を落とすな」
カイルは項垂れるお頭の肩を叩いた。
「けどよぉ」
残念がり、悔しそうなお頭を見て小さく笑った。
この国民を見て、エルシール国王がどんな人物か想像できるのだから。
「エルシール国王は民に愛されているな」
「当然だ。陛下は優しくて常に国民を想ってくれる立派なお方だからなぁ」
「なら大丈夫だ。そんな立派な方ならそうはやられまい」
カイルのキッパリとした言い方にお頭はカイルを見つめる。
その視線にカイルは「ん?」と端正な顔立ちをお頭に向けた。
「……カイルさんは何者なんだぁ?」
「俺?なんだよ、いきなり」
「カイルさんは謎なんだよ」
お頭はスッと目を細める。
「カイルさんの言葉にはなんか力がある。説得力もあるし、なんか違うんだよなぁ」
カイルはそれを見て苦笑した。
「シュリにもよく聞かれたよ。何者?って。でも俺は見ての通り今はただの旅人だ」
「今は?どういうことだい?」
「今は自由にフラフラしてるってこと。多少、色んな国の情勢を気にしてるけどね。それが本職ではない」
「本職は旅人ってかい?そうは見えねぇんだって」
「そっか?」
カイルは素っ気なく返事を返した。



