ーー……
カイルは部屋の窓の前から広がる一階下の屋根へ降り、そこに座って町を見下ろしていた。
宿の作りから丁度よく屋根に登れたのだ。
夜風は心地好く吹き抜ける。
カタンと音がして振り返ると、お頭がユックリとこちらへ降りてきたところだった。
「部屋から屋根に簡単に登れちまうなぁ。こりゃぁいいぜ」
「足元気をつけて」
カイルに言われながらお頭はユックリと隣に腰を下ろした。
チラッと後ろを振り返る。屋根が斜めなので部屋の窓から奥の室内は見えなかった。
「シュリは?」
「寝てたぜ。ふて寝だな。ったく、あいつは意外と愛国心が強いというか、なんか熱い奴だなぁ」
お頭はポリポリと頬をかいて困ったような顔をした。シュリの真っ直ぐさに戸惑ったようだ。
「助けたい一心なんだろうな。気持ちはわかる」
「まぁなぁ。で?あのシュリ坊主にはああ言ったけど、実際どうなんだぁ?」
「噂か?」
お頭は小さく頷く。初めは噂を信じていたようだが、少しずつ違和感は感じたみたいだった。



