狙われし王女と秘密の騎士



派手な音とともに、扉が壊れる。
突然のことに、中で酒盛りしていた男たちは呆気に取られたように茫然とこちらを見ていた。


「よう。昼間はどうも」
「なっ…、お前らっ!?どうやって…!?」


カイルが軽く挨拶をすると、お頭は赤い顔をして口をパクパクさせている。
驚いて言葉が出てこないようだ、
平然と中に入っていくカイル。私もそれに続いた。


「いやぁ、シュリが世話になったみたいで。そのお礼に来たんだよ」
「な、なんだとっ!」
「シュリから奪った物を返してもらおうか」
「ふざけるなぁ!!返すわけねぇだろぉ!おいっ!やっちまえ!」


お頭は周りに指示を出すと、お頭を取り囲んでいた奴らは身近にあったナイフや剣などの武器を持って私達に構える。
流石に人数が多い。
数だけ見ると私達に勝ち目はないと思われた。
私は生唾を飲み込み、そっとカイルに寄り添う。
そんな私の頭をポンと叩く。
見上げるカイルは余裕の表情だった。


「カイル?」


カイルは私の前に立ち、構える男たちに向き合った。