「ごめんなさい」
私はしゅんと項垂れた。
出会ったばかりでよく知らない相手なのに、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
悪いことをしてしまった。
きっとカイルも迷惑だろう。
私がしょぼんとしていると、カイルはハァとため息をついた。
「……で?これからどーする?」
「え?」
「この街はマズイだろう。とりあえず、早く街から出た方がいい」
「カイル?」
「お前の事情を聞くのはそれからだな」
と「訳ありっぽいし」言って、前を歩きだす。
それには唖然とした。
怒ってないのだろうか。
カイルのその切り替えの早さに驚いた。
不思議な人だ。
私がボーッと立っていると、カイルがふりむき、グズグズするな!と睨んだ。
「は、はい!」
慌てて走り寄るとカイルは吹き出して笑った。



