狙われし王女と秘密の騎士



しかしまさかカイルが縁談を申し込んで来るなんて思わなかった。
すると私の疑問に気がついたように、実はと話し出した。


「帰国してから父上と話し合ったんだ。本当の俺の気持ちや今までの気持ち全て」


ナリエル国王は黙って聞いていたという。
ナリエルの城が窮屈に感じ、居場所をなくしていたカイル。
何をやっても兄より頭一つ分、優っており、比べられていた。
余計に気をつかい、居心地が悪かった。
同い年の兄よりは目立ってはいけない。
派閥を作ってはいけない。
わかってはいるが、回りを取り巻く人々はそうはいかなかった。

兄を、自分を守るため、放浪王子を作り上げた。
しかし、それも限界が近い。
公務も御座なりには出来ない。
しかし。
もうここに居続けるのは今後の為にも良くない。
幸い、カイルには他にも二人幼い異母弟がいる。
公務につくのはまだ早いが、ディル王子の即位に影響はないだろうと判断されるくらいの下の身分の王子だ。
身分のある母から生まれたわけではない異母弟たちだが、一応王子として育てられている。
彼らが成長すれば必ずやディル王子を助けるだろう。
だから自分はいなくても良いのではないか。

それはカイルが痛いほど感じていた。
火種は国のために消した方がいい。


すると、ナリエル国王はカイルの話を鼻で笑った。

お前の本心はなんだ、と。
そんな国への愛国心やご託はいらぬ。
お前の本心、本音、野心を話せ、と。
どうしたいのだ、と。


「だから、俺は言ったんだ」