ルカが出してくれた紅茶を一口啜る。
やはりルカの入れた紅茶は美味しい。


「そういえば姫様? 陛下が後で部屋に来てほしいと」
「え~、またぁ!?」


私はうんざりした声を出す。
最近、父王は私に縁談を持ってくるのだ。
今回の事件をきっかけに娘の結婚を進め、国の安定を考えているのだろう。
わかる。わかるが私はそんなつもりはないから全て断っていた。


「そう、嫌な顔しないで、一度受けてみたらどうですか?」
「……嫌だ」
「そう言ってこの前も財務大臣のご子息の縁談も会わずに断り、他国の貴族の嫡男との縁談も話を聞いただけで断ってたじゃぁないですか」
「まだ早い。それにそんな気分にはなれない」
「気分って。お気持ちはわかりますが……。あっ! 姫様!? お待ちください、シュカ姫様!!」
「おやすみ」


私はルカを置いて身支度を整え、さっさと寝室に入った。
扉の向こうからはルカが陛下の所へいかないのかと言っていたが、そんなの無視してベッドに潜り込み、目を閉じたのだった。