「俺の名前はカイルだ。ただの旅人。お前は?」 男はカイルと名乗った。本当にただの旅人かはまだわからないが。 「わた……俺はシュリだ。シュリ」 本名のシュカではなく、とっさに偽名でシュリと名乗った。 彼がどんな人物かわからないのに、本名を名乗るのは得策ではないように思えた。 「シュリか。いい名だ」 カイルは目を細めて、微笑む。 それが、これから共に旅をすることとなる、旅人カイルとの初めての出会いだったーーーーーーー