「ぐぅああああぁっ!」


大きく吠えて、サルエル国王はカイルの手を振り切り父王へ突進していく。

そして…………。


「さらば」


父王の呟きと剣が振り下ろされたのは、ほぼ同時だった。


サルエル国王はその場に崩れ落ちる。


声を上げることもなく。

覚悟をしていたかのように目は閉じられていた。



サルエル国王。崩御。


その死は、本国にすぐに伝えられた。