「セル宰相。ルカは?」 「姫様……、そのようなお姿に……」 「嘆かないで。それで、ルカも中に?」 「おります。ルカは……サルエル国王の側です。ルカが……手元にいれば姫様は助けに来ると……そう話しておりました」 宰相は悔しそうに唇を噛んだ。 宰相を柱に寄り掛からせ、玉座の間を見つめる。 「なら正々堂々と助けに行こう」 カイルは低く呟く。 それに頷いて、私はソッと玉座の間の扉に手をかけた。