薄暗い廊下なのにそのシルエットだけでその誰かわかった。
スラッとした背の高い男性。
いつもは頭に巻いたターバンを後ろに流しているがいまは顔を隠すように目もと以外を覆っている。
目もとだけでもわかる。
カイルだ。
「なんで……」
なんでカイルがここにいるの?
「どけ」
カイルの低く短い、しかし凛とした通る言葉は守衛の動きを一瞬で封じた。
カイルの体から発せられる威圧感。
私でもカイルと守衛らの力の差がわかるくらいの殺気と圧力。
カイルがゆっくり動くと怯えるように守衛らが間を空ける。
そのままこちらに近寄り、剣を当てられた守衛を楯にカイルは私の前に立った。
「どうして……」
私の言葉に他の守衛らはハッとしたように剣を構えた。
突然増えた敵に動揺を隠せていない。
「な、何者だっ」
「そいつを離せ!」
一人が声をあげると、他も一斉に喚きだした。
それをカイルは鼻で笑う。
「弱い犬ほどよく吠えるってな」
「なんだとぉっ!」



