「僕、優馬。君は?」




「柚。でもね、メガネかけてるから、皆から“メガネっ子”っていわれるの…」
そう言うと寂しそうに下を向いた。





「そうなんだ。でも、そのメガネ似合うよ!“メガネっ子”可愛いよ!」





柚ちゃんは真っ赤な顔をして小さな声で…
「ありがとう…」って言った。





二人は、いつの間にか夢中で虫捕りをしていた。





気付くと夕方になっていた。





遠くから柚ちゃんのお母さんが、柚ちゃんを呼ぶ声がした。





「またね…」



「うん!バイバイ…」




夕焼けの中に柚ちゃんとお母さんのシルエットが鮮やかに写し出されていた。