「ちょっといいか」

宏也に呼び止められたのは
それから数日してから


「あいつさ…
おまえのなに?」


「幼なじみ…
一番大事な男の子……」



「つきあってんの?」



「別に……ただ
私にとっては肇が一番だから」

うんって言えたなら


「もしかしたら俺が
一番になる可能性もあるってこと?」


わかんない奴


「ない。
あんたみたいな女ったらし
肇の足元にも及ばない。
絶対無理 奇跡もない。
これから先 私があんたのこと
少しでもいいって
思うことは絶対ないから……」

強い口調で言い返した。


宏也はプッと吹きだして

「おもしろいゲームだな~」

と笑った。


「あんたの恋をゲームだって
思うこと自体嫌い!!
恋ってそんな簡単なことじゃない
そんな男に愛されたって
そこに本当の
愛なんてあるわけないわ。」


私は宏也を置いて
駆けだした。
キツイこと言ってしまったから
宏也の顔をみるのが
ちょっと切なくなった。